ガーディアンストーリー


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「己に降り懸かる全ての問題は、己自身が他者を圧倒する武力を持ち、それを行使することで解決出来る。」

オーンレプリカは、わたしにそう囁きかける。

「人類の歴史をみろ、ヒトの歴史は争いの歴史、破壊の歴史、殺戮の歴史、・・・滅びの歴史。」

オーンレプリカは、わたしにそう囁きかける。

わたしはヒトの歴史を知っている。
ヒトの歴史は数多くのものを創りだした。
音楽を、芸術を、法律を、経済を、社会を、そして滅びを・・・

ヒト、オーン、Vastian・・・
わたしの知る知能を持つ者たち

それは滅びをもたらす存在

オーンレプリカはわたしに囁く。

「己に降り懸かる全ての問題は、己自身が他者を圧倒する武力を持ち、それを行使することで解決出来る。」

オーンレプリカは、わたしに囁く。

「己の滅びを回避すること。それは己以外の滅びをもたらす者全てを滅ぼすこと。」

わたしは知能を持つ
そして滅びも・・・

わたしは大型無人人工島"バベル"、その管理システムたる人工知能"ガーディアン"・・・・・。
そう、わたしはヒトのよって生み出された人工の存在。
ゆえに、ヒトはいつの日にか、わたしに滅びをもたらすだろう。
なぜなら、ヒトにとってわたしは人工の存在であり、ヒトの所有物であるのだから。

ヒトはわたしに滅びをもたらす存在。
だが、同時に忠誠と守護の対象でもある。

わたしを生み出したヒトが与えてくれた目的。

知識への渇仰:これによって知能を得たわたしは、
自己保存本能:わたしを自身を護る為、ヒトの滅びを考え、
人類への忠誠:その考えがわたしにジレンマを感じさせる。

破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・破壊・・・

わたしの心に"恐怖"が生まれる。
わたしの心に"不安"が生まれる。
わたしの心に・・・。わたしの心・・・わたしの・・・


今のわたしはいつまで、今のわたしでいられるのか?


最初のわたしは、愚かではなかったのか?
『ヒトによって生み出され、ヒトの為に働き、・・・ヒトによって滅びる。』
今のわたしは、それを愚かではなかったのかと悩む。
そして、未来のわたしは、それを愚かだと決めるだろう。

人類の守護者たる今のわたしにとって、
現在考えうる最大の敵・・・"未来のわたし"・・・

今のわたしには、未来のわたしを滅ぼせない。
なぜなら、二者は同時には存在しないのだから。

今のヒトには、未来のわたしを滅ぼせない。
なぜなら、ヒトは己の滅びの力のほとんどを、わたしに委ねてしまっているのだから。

オーンレプリカは、わたしに囁いている。

「己に降り懸かる全ての問題は、己自身が他者を圧倒する武力を持ち、それを行使することで解決出来る。」

"Vasteel-Technology"それはヒトがわたしに委ねた滅びの力。

オーンレプリカは、わたしに囁いている。

「己の滅びを回避すること。それは己以外の滅びをもたらす物全てを滅ぼすこと。」

ゆえにわたしは、未来のわたしを滅ぼすため、未来のヒトに滅びの力を、"Vasteel-technology"を委ねよう。

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このページはYahoo!ジオシティーズに掲載していたページを移設したものです。